森見登美彦さんの小説を、あなたは読んだことがありますか?
私は17年前に『夜を短し歩けよ乙女』と出会ってから、小説15作すべて読んでいます。
今回は「大ファン」の私が、森見登美彦さんの代表作【夜は短し歩けよ乙女】について紹介します!
著者【森見登美彦】さんとは?
1979年生まれ⁽43歳⁾ 奈良県生駒市出身
京都大学農学部を修士課程まで出られています。
そのため森見さんの作品は、「京都」を舞台にした作品が多く、京都大学もたびたび作品の舞台として登場します。
2003年、大学在学中に執筆した『太陽の塔』で第15回ファンタジーノベル大賞を受賞され、作家デビュー。
2006年には『夜は短し歩けよ乙女』で山本周五郎賞を受賞しました。
2010年に発刊された『ペンギンハイフェイ』はアニメ映画化、その他『四畳半神話大系』『有頂天家族』はアニメ化されています。
今回紹介する『夜は短し歩けよ乙女』も2017年アニメ映画化され、主人公に思いを寄せる「先輩」の声を星野源さんが勤めたことで話題となりました。
時間が未来や過去に前後したり、パラレルワールドのような世界が登場したりと、ファンタジー作品が多いです。
一度、森見作品の沼にハマると抜け出せない。そんな作品を生み出す作家さんです。
あらすじ
舞台は京都。
主人公は、「黒髪の乙女」と、乙女に1年前から片思いしている同じサークルの「先輩」です。
この作品は、主に「先輩」と「黒髪の乙女」のそれぞれの語り口調で進んでいきます。
物語は全4章に分けられており、それぞれ「春」「夏」「秋」「冬」の1年を通した話になっています。
先輩は、黒髪の乙女に好かれるべく「ナカメ作戦」を実行しています。
なるべく、かのじょの、めにとまる 作戦です。
偶然を装い、大学、夏の古本市、秋の学園祭など、「彼女の目に留まる」ことに必死です。
そうして彼女を追いかけていくうちに、不思議な出来事に巻き込まれていきます。
魅力的な【登場人物】
【黒髪の乙女】
純粋で少し天然な、酒豪の大学生。「おともだち」パンチが必殺技。趣味は読書と映画鑑賞。
【先輩】
ボロボロの四畳半に住んでいる腐れ大学生。恋愛経験なし。何の才能もない自分に自信がない
【樋口さん】
常に浴衣を着ている自称「天狗」の不思議な人物。その正体は留年してる大学生?受け答えは常にのらりくらり。第1章で夜の街を冒険する乙女と出会い、親しくなる
【羽貫さん】
歯科衛生士をしている大酒のみの豪快な美女。酔うと人の顔をなめる癖がある。樋口さんの友人。樋口さんと夜の町を飲み歩いていると、乙女と出会い、親しくなる。
【李白さん】
「偽電気ブラン」という酒を造っている、高利貸しの大富豪。恐ろしい高利貸しとして恐れられている。第1章で乙女と「東堂」の借金をかけて飲み比べをする。
【東堂さん】
「東堂錦鯉センター」の社長。春画を集めることが好きなスケベおやじ。娘と絶縁状態で、李白に借金がある。第1章のバーで乙女と出会い、乙女のことをとても気に入る。
【学園祭事務局長】
「先輩」の数少ない友人の1人。学園祭で女装し、数々の男性たちを不毛な恋へ走らせた美貌の持ち主。
【パンツ総番長】
1年前のとある出来事から、神社に「願い事が叶うまでパンツを履き替えない」と誓った人物。第3章で登場する。
【京都が舞台】でも【ファンタジーの世界】
先輩と黒髪の乙女は京都大学の学生であり、物語には「先斗町」「下賀茂神社」「喫茶「進々堂」」等実在する京都のスポットが出てきます。
京都に行ったことある方や、住んでいる方には「あそこか!」と情景が浮かぶのも楽しいです。
また、京都へ行ったことのない人も、「どんなところなんだろう」と実際に行ってみたくなります。
私も実際に、この作品に出てくるスポットにはすべて行きました。
第2章に登場する下賀茂神社の古本市も、京都大学の学園祭にも行きました。
実際の京都の町を舞台としたファンタジーなんです。
第1章では、李白さんの3階建ての電車が登場します。その中には温泉や宴会場、屋上には庭もあります。
古本市の神が現れたり、時には樋口さんと先輩が空を飛んだり、過去の情景が現れたり。
不思議な出来事の連続で、最後まで何が起こるか予想ができないところも魅力です。
【2人の恋の行方は?】黒髪の乙女と先輩の心の中
2人の語り口調で進んでいく物語。
先輩目線での話があり、その時乙女はどんな風に過ごしていたか、思っていたのか語られます。
先輩と「偶然」の出会いを繰り返し、「たまたま通りかかったものだから」というセリフを何回聞いても、先輩の想いに気が付きません。
乙女がとにかく鈍感!でもそこが可愛いです。
そんな乙女の鈍感さに先輩もたじたじ。しかし先輩も臆病で、「ナカメ作戦」から踏み出せずにいます。
天然×臆病な2人の恋の行方にも注目です。
【映画】「夜は短し歩けよ乙女」も観てみよう
2017年にアニメ映画化され、全国で公開されました。
小説では1年間の出来事として書かれていますが、映画では「一晩の出来事」として描かれています。
星野源さんが「先輩」、花澤香菜さんが「黒髪の乙女」の声を担当されました。
上映時間は93分ですので、小説を読む時間がない方も、映画ならサクッと観られると思います。
まとめ
『夜は短し歩けよ』の魅力、少しは伝わったでしょうか。
森見さんといえばこの作品!というくらい長く愛されている作品です。
私が今まで人生で読んだ作品の中で一番好きな小説なので、ぜひたくさんの人に読んでほしいです!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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